物を減らして心豊かになりました!ミニマムな暮らしを実践している20代・30代・40代の代表者が集結。物欲との付き合い方など、物が少なくても心が満たされる秘訣について教えてもらいました。

20代・30代・40代 ミニマリスト

・40代代表 物を捨てて、人生の満足度が上がった!
整理収納アドバイザー Fujinaoさん(42歳)【ミニマリスト歴10年】
単身赴任中の夫、長男(14歳)、二男(12歳)の4人家族+愛犬1匹。14年から片づけのプロとして活動。著書『片づけの力』(KADOKAWA)が話題に。インスタグラム@fujinao08140814

・30代代表 物が減ったら、余裕がある自分になれた!
サンキュ!STYLEライター シンプリストうたさん(37歳)【ミニマリスト歴8年】
夫(38歳)、長男(10歳)、長女(8歳)の4人家族。転勤族で、結婚後3回の引っ越しを経験。サンキュ!STYLEでのシンプルライフの記事が大人気。インスタグラム@utatanenet_home

・20代代表 ミニマリストになってお金も貯まった!
サンキュ!STYLEライター ミニマリストまるこさん(25歳)【ミニマリスト歴2年】
夫(25歳)、長女(3歳)の3人家族で、第2子を妊娠中(取材時)。23年よりサンキュ!STYLEで、ミニマムで貯まる暮らしの情報を発信。インスタグラム@mrk__life

物が多かったときのほうが不便を感じていた

【編集部(以下編)】読者のかたから、「物が少ないと不便になったり、寂しく感じたりしないの?」という質問が多くありました。皆さんはどうですか?
【Fujinaoさん(以下F)】使っていない物を処分すると、「実はなくても良かった」「今ある物で代用できた」ということが多かったです。
【シンプリストうたさん(以下う)】むしろ物が多すぎると、何を使ったらいいか、どれを選んだらいいか迷うことも。物が多かったときのほうが不便だったなと感じています。
【ミニマリストまるこさん(以下ま)】絶対必要な物や、使い慣れた物は残しているので不便に感じることはないです。少ない持ち物でも、お気に入りの物だけに囲まれているから、寂しいとは思いません。
【F】「あれば便利だけどあまり使わない物」より、「何でもできる自由な空間」があるほうが、暮らしにとって利便性が高いなと感じます。余白があるからこそ、好きなインテリアが引き立って魅力的に見えるんですよね。
【編】増えがちな子どもの持ち物はどう管理されていますか?
【う】衣服などはクローゼットの中を家族4人分に分けて、中身の管理は各自にお任せ。中身が増えてきたら、子どもと一緒に見直して、一定量を保つようにしています。
【ま】おもちゃは少ないほうが子どもが遊ぶときの集中力が上がると聞き、その都度気に入っている物だけを1カ所にまとめるようにしました。数が少ないと、子ども自身も片づけしやすいみたいです。

長女がお気に入りのおもちゃを限定して、ここに入る分だけ(まるこさん)

物欲はゼロじゃない。買い足すのは納得した物だけ

【編】ミニマリストになると、物欲はなくなるものでしょうか?
【う】時々、物欲がわいてくることはあります。でも、過去に衝動買いした物がほとんどゴミになったことを教訓にして、買う前に「これはちゃんと元が取れるのか?」と立ち止まって考えるようになりました。
【ま】私も物欲はゼロではないけど、衝動買いはしません。欲しいと思ってもいったん時間をおくと、だいたいは忘れてしまうもの。時間がたっても忘れられない物であれば後悔することがないので、買ってよしとしています。
【F】今使っている物で十分事足りるとわかっているし、物を増やすことでこの心地いい空間を崩したくないという思いが強くなったので、物欲は減退気味です(笑)。気分転換やストレス解消のための買い物はしなくなりました。
【編】物を増やしたくないという皆さんが、新たに物を買うときの判断基準は何ですか?
【う】「今困っているかどうか」を基準にしています。意外と困っていないのに、「あったら便利」という感情だけで選びがちなので。また、基本的には入れ替え制にしているので、今あるお気に入りの物を手放してまで買うべきかどうか検討します。
【F】私も同じです!「あったら便利」程度の物は3回以上吟味し、家にある物で代用できないか考えます。新しく買うのは、今持っている物が故障したり、劣化したりしたとき、バージョンアップした物を選ぶことが多いです。
【ま】基準はやっぱり「今」の暮らしが豊かになるかどうかですよね。それに加えて、「自分の心がときめくか」も大事だと思います!好きな物だけを持つ暮らしが理想なので、妥協して買うことがなくなりました。

FujinaoさんのこだわりPOINT

●ワンピースを“制服化”。服選びがラクに
今持っている服はワンピース15着と、礼服、スポーツウエア1組だけ。「ワンピースならコーデを考えなくていいので、着替えの時間が短縮。ちゃんとした場にも出かけられるので重宝しています」。

●タオルケット類はつい買っちゃいます
「最近気づいたのが、タオルケット類に目がないこと。素材やサイズ違いなど、気に入った物があれば買ってしまいます」。物を減らしたからこそ、“自分の心がときめく物”に気づけました。

シンプリストうたさんのこだわりPOINT

●心が和む小物を選んでいます
むやみに物は増やしませんが、毎日使う実用品はお気に入りの物に。「小鳥の形のしょうゆ差しは見るだけで心が和みます。室内に置いておくだけでも可愛い」。

●サイドテーブルは1台2役で活用
ヴィンテージのカリモク製サイドテーブル。昼間は1人でくつろぐときのティーテーブルに、子どもの帰宅後はランドセル置き場として活用。「2年半かけて理想の物を見つけました」。

“時間”に余裕がある今が幸せ。だから、必要以上に物は増やさない

【編】物が少なくても、心が満たされていると感じる理由は何ですか?
【F】物が多かったときは、1日中片づけや掃除などに時間を費やしている感じでした。今は、家事や掃除が短時間で済み、午前中でタスクがゼロになる達成感が気持ちいい!毎日小さい達成感を味わえるのはぜいたくなことだなと思います。
【ま】私も、片づけや探し物など、余計な時間を取られなくなったのが一番うれしい。物が少ないと、時間をコントロールしやすいなと感じます。
【う】本当に「時間のゆとり」は、「心のゆとり」ですよね!物が少ないからこそ身軽に動け、やりたいことができる気がします。ゆとりが生まれて、家族と過ごす時間が増えたことも心が満たされている大きな要素です。
【ま】私は、家計に向き合う時間ができたので、やりくりにも力を入れて、夫の収入だけでも年200万円貯められるようになりました!
【う】物を減らしてから、精神面や人間関係など、見えない部分で好転したことが多いですね。イライラして物で気を紛らわせることがなくなり、何事にも自分にとって必要なことを見極める力がついたと思います。
【F】家がいつでも片づいているので、気軽に人を呼べるようになって、人間関係が豊かになったのもメリットの1つ。ミニマリストになって、人生の満足度が上がったと実感しています。

ミニマリストまるこさんのこだわりPOINT

●食事が楽しくなる食器を収集
「毎日使う食器は、自分のテンションが上がる物にしたいと思い、少しずつ集めています」。シンプルだけどデザイン性がある皿や、カトラリーを厳選。

●家具や家電は白で揃えて広く見せます
食器棚、家電は白で統一して、圧迫感を軽減。「棚や引き出しの中にしまう物は数を絞って、白い収納トレーで仕切りを。余白があるので、出し入れもラクです」。

参照:『サンキュ!』2024年10月号「物を減らしても心は満たされますか?」より。掲載している情報は2024年8月現在のものです。写真協力/Fujinaoさん、シンプリストうたさん、ミニマリストまるこさん 構成・文/宮原元美 編集/サンキュ!編集部