水道光熱費が跳ね上がるのは夏と冬ですが、電気・ガス代が値上がりしている今年は、春もしっかり省エネすることが大切です。そこで、ちょっとした工夫で水道光熱費を節約できる春の省エネテクを、節約アドバイザーの丸山晴美さんに聞きました。

なお、今回ご紹介する情報はすべて2023年3月時点の取材情報を基にしています。

みなさまこんにちは。節約アドバイザーの丸山晴美です。

お金にはトレンドがあって、その情報をキャッチできるか否かで、得する人と損する人に分かれます。でも経済に関するお金の情報は、ちょっとむずかしいですよね。私はみなさまに“お金の旬の情報”を“わかりやすく”お届けしていきたいと思います。今回のテーマは「春の省エネテク」!

春の省エネテク1:給湯器の設定温度や湯量を変えるだけで年1万円以上節約!

水道光熱費の節約として、春になったら最初にやっておきたいのが、給湯器の設定温度の変更です。

例えば、冬に42度に設定していた温度を2度下げて40度にするだけで、年間2,645円の省エネができます(180リットルの水を20度から40度に沸かす場合と、42度に沸かす場合で計算)。こうしておけば、シャワーを 5分(50リットル)間使った場合にも年間で2,939円の節約になります。

浴槽に入れる湯量も見直しましょう。お湯はりの量を20リットル少なくすることで、ガス代と水道代合わせて年間4,852円の省エネに(40度に沸かす際、180リットルを沸かす場合と200リットルを沸かす場合)。
これだけでも合計で年間1万円以上の節約になります。

さらに、水を「出す/止める」を手元のスイッチで切り替える省エネタイプのシャワーヘッドに替えれば、年間でなんと9,704円も節約できます(シャワー湯量を10リットル/分とし、節水シャワーヘッド・通常シャワーヘッドともに5分ずつ使用した場合、4人分で算出)。

その他、浴槽に湯をはるときにはふたをする、家族で間隔をあけずに入浴するなども心がけると、より効果的に省エネができます。

春の省エネテク2:洗濯はまとめ洗いですすぎ回数を1回減らす

洗濯の際にも簡単にできる省エネテクがあります。その1つが「まとめ洗い」です。

少量の洗濯物を毎日少しずつ洗うよりも、洗濯機の容量に合わせてできるだけまとめ洗いし、洗濯回数を減らすほうが電気も水も時間も節約できます。
例えば、定格容量6kgの洗濯機に4割の量を入れて洗う場合と、8割の量を入れて洗濯回数を半分にする場合とでは、8割の量で洗濯回数半分ほうが年間4,614円安くできます。

洗濯機に「エコモード」や「節水モード」がある場合は、それを選択しましょう。
モードがない場合は、洗う時間を短くしたり、すすぎ回数を減らすなどしたりしてもOK。縦型全自動洗濯機(8kgタイプ)を使用してすすぎの回数を1回減らした場合で、年間で2,136円の省エネになります(水道料金のみ)。

洗濯用乾燥機の使い方も重要です。洗濯物は衣類乾燥機だけで乾燥させるよりも、自然乾燥と衣類乾燥機を併用することで省エネにつながります。
例えば、2日に1回洗濯したとして、自然乾燥8時間後に未乾燥のものを乾燥機にかける場合と、乾燥機のみで乾燥させる場合では、なんと年間1万5,104円も差が出ます。

なお、浴室乾燥機は電気やガスをけっこう消費します。一般的な電気の浴室乾燥機は、ドライヤーの温風の「強」をずっと使っていることとほぼ同じ。浴室にハイブリッド式の除湿機を置いたり扇風機を入れて衣類に風を通して、乾燥効率を高めるようにしましょう。

春の省エネテク3:テレビは画面の明るさを調節し、夏に備えてエアコンフィルターを掃除

1日にテレビをどのくらいつけていますか?しっかり見ているわけではないのに、時計代わりにつけっ放しにしている家庭は少なくありません。
でも、1日に1時間でもテレビを消すと、年間643円の省エネに(1日1時間液晶テレビ(32V型)を見る時間を減らした場合)。

さらに、テレビ画面の明るさや音量を調節すれば、さらに省エネになります。
例えば、液晶テレビ(32V型)で省エネモードを選択し、画面の輝度を最適(最大→中間)にした場合で、年間1,037円の節約に。
他の家電でも「省エネモード」「エコモード」などのボタンがある場合は、まずはそれを選択するようにしましょう。

この他、夏への準備として、今のうちにエアコンフィルターを掃除しておくのもおすすめです。エアコン(2.2キロワット)のフィルターが目詰まりしている場合とフィルターを掃除した場合では、後者のほうが年間1,223円の節約に。
フィルターを定期的に掃除すれば目詰まりも解消され、省エネになるだけでなく、エアコンの効きも違ってきます。

教えてくれたのは・・・

丸山晴美さん

22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て2001年、節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザーなどの資格を取得。身の回りの節約術やライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどを、テレビやラジオ、雑誌、講演などで行なっている。著書は「シングルママの『お金に困らない』本」(徳間書店)、「50代から知っておきたい!年金生活の不安、解消します」(共著)(幻冬舎)、「お金を活かす ハッピーエンディングノート」(東京新聞)など多数。

取材・文/かきの木のりみ