「お金を貯めたい!」と思っても、なかなか貯められない人は多いもの。皆さん、貯まらない苦し~い事情を抱えているようです。う~ん、難しい問題ですが、どうやって解決したらいいのでしょうか?

全国の主婦を取材して、お金に関する記事を数多く手がける村越克子さんに解決策を教えてもらいました。

悩み1:お金のことを考えると不安になる

貯められない人に多いのがこの悩み。お金が貯まらない→不安になるから、お金のことは考えない→やっぱり貯まらない……の負のループで、「貯まらない沼」にどんどんハマることに。

お金を貯め始めるのに手遅れということはありません。結婚前は借金を抱えていた人も、結婚後、3年間共働きをして貯金ほぼ0円だった人も、「沼」から抜け出すことができました。

抜け出すきっかけは、お金と向き合うこと。よく見ようとしないと、得体が知れない怖いものに思えたものが、よくよく見ると正体がわかって、そんなに怖がることがないとわかるものです。

まずは、お金としっかり向き合ってみましょう。

悩み2:そもそも収入が少ない

厳しい生活費に落ち込む日本人女性

収入が少ないと、住居費や水道光熱費など、毎月決まってかかるお金を差し引いた分の残りのお金が少なくなるので、貯蓄にまわせるお金がどうしても少なくなりがちです。1カ月の貯蓄額は月収の1割が目安ですが、目安にこだわらず、1,000円でも、2,000円でも毎月貯めることが大事。

大切なのは金額ではなく、毎月コンスタントに「貯める習慣」を身につけること。貯める習慣が身についていれば、収入が増えてときに貯蓄をガツンと増やすことができます。

悩み3:月によって月収がまちまち

毎月の手取り月収が変動する場合は、一番多い月と少ない月の月収を給与明細書を見て確認。そして、その中間を「基準の給与」と考えます。

たとえば、一番多い月の手取り月収が40万円、一番少ない月が28万円で、この間で変動する場合は34万円を基準額に設定。

基準額で予算を立て、それより少ない月は、多い月の黒字分で補てんしてやりくりします。毎月の貯蓄額も一定にして、決まった金額を貯めましょう。

悩み4:ちょこちょこ買いが止められない

小包箱を持ち、朝の背景にクライアントのドアの上にドアベルを鳴らす配達員。

まとまったお金を使ったときは、「お金を使った」という自覚があるものですが、少額をちょこちょこ使うとその自覚が希薄になります。ムダ使いを防止する場合、実はこちらの方がやっかいなのです。

ちょこちょこ買いでも、お金を使っていることには変わりないので、1カ月どれくらい使っているかを把握しましょう。1カ月分のレシートをとっておき、食費や日用品費など生活必需品以外の買い物金額を月末に集計。ちょこちょこ買いでも「塵も積もれば山となる」で、結構な金額になっているはずです。

いきなり0円にするのは難しいので、予算を決めて、その金額内に収めるように。ネット通販でよく買い物する場合も、1回の予算や1カ月の予算を決めることが肝心。予算を少しずつ減らすことで、ちょこちょこ買いも減ってきます。

悩み5:今どきはやっぱり投資した方がいい?

学生ローンの支払い計算、奨学金や学校や教育のコンセプトのための貯蓄、コピースペースと黄色の背景に電卓に卒業帽子をかぶって白い貯金箱

超低金利時代の今は、預貯金の利息はほとんどつかないのが実情。そうかといって、投資すればお金が殖えるかといえば、世の中、そんなに甘くはありません。

短期間で大きく殖える可能性がある金融商品は、短期間で大きく損をする危険性があります。投資の世界では「2倍に殖やそうと思ったら、半分になることを覚悟する」と言います。

投資信託を毎月少額ずつ購入する「積立投信」などで長期的に投資する方法が安全かもしれません。

まとめ

「貯めよう」と思っても、なかなか思うように貯まらない人が、抱えがちな悩みについて考えてみました。「悩んでいる」ということは、お金に向き合っているし、貯める意欲があるという証拠。悩みを1つずつ改善して、前向きに貯めていきましょう。

■執筆/村越克子さん
『サンキュ!』を中心に雑誌・ムック・webなどで全国の主婦を取材し、家計のやりくりなどお金に関する記事を数多く手がける。『貯められない人の家計管理』(朝日新聞出版)の編集・執筆など。