炊事、洗濯、掃除、家計管理、名もなき家事、仕事との両立、育児に夫婦関係……。
この連載では、いくつものタスクをこなす"主婦"が暮らしの中で実感した言葉をお届けします。

第11回は、雑誌『サンキュ!』の食費節約企画などに登場し、サンキュ!トップブロガーとしても活躍されていたIDUMIさんの名言です。

離婚をきっかけに独学で「高卒認定試験」にチャレンジ

週5日のパート勤務をしながら、大学の通信教育部で学び、シングルマザーとして9歳と7歳の男の子を育てているIDUMIさん。
3年前の離婚をきっかけに、「もし今の仕事ができなくなったら次の仕事はみつかるのだろうか」と不安を覚え、高校を中退していたため、「高卒認定試験」にチャレンジすることに決めたのだそう。

役所に相談に行くと、予備校や大学に通うシングルマザー向けに自治体の支援制度があることが判明。
「色々と教えてくださる親切な方に恵まれたので、最初は独学で勉強を始めて、その後予備校に通い、半年ほどで高卒認定試験に合格することができました」。

数カ月後には大学の通信教育部に入学し、元々興味のあった心理学も学べる社会福祉の学部で学び始めました。
「試験を受けるときに相談に乗ってもらえた経験から、いつか自分と同じような境遇の人をサポートできたらと思っています」。

仕事、学業、家事、育児の1人4役!

平日は9時から5時まで仕事をしているので、大学の勉強をするのは子どもたちが寝た後の1、2時間。
「疲れて勉強しながら寝てしまうことも(笑)。レポート期間中は、2週間くらい根詰めてやります」。

勉強に集中したいときは、時間を取られないように夕飯作りもなるべく簡単にしているのだそう。その代わり、やる気も時間もあるときはしっかり作って、メリハリを大事にしています。

"自分がラクになる"ことが第一

離婚したての頃は、自分と子どもだけの生活だと"どこまでも堕ちてしまう不安"があって、
「ちゃんとしなきゃ!」と家事も頑張り過ぎていたのだそう。

「無理をして余裕がないとイライラしてしまって。子どもも私の状態に影響を受けるので、
完璧じゃなくてもいいから、"自分がラク"になることを考え始めました」。

買い物も以前は1週間分まとめ買いしていましたが、
「献立を考えるのも使い切るのも大変なのでやめました」。
今は日によってその日の分だけ買ったり、3日分買ったり。
週予算は特に決めず、月の食費予算2万8000円内におさまれば良しとしているそう。

今回の名言:「無理しないことを優先したら、ストレス買いや"お疲れ外食"がなくなりました」

忙しいとごはんを作ることがストレスで、外食をしたりお総菜を買ってしまっていたというIDUMIさん。
無理をせず、使い慣れた食材で、いつものおかずを作るようにしたら、食事作りのストレスがなくなり、予算を守れるように。
「疲れたときは納豆ご飯でもOKぐらいに気軽に考えています」。

「やらなきゃ!というストレスでいっぱいいっぱいなときは、『これって必死にならなきゃいけないこと?』と思い直してみます。おかずが少なくても、部屋が汚くても問題ないし、子どもも気にしていなくて。自分の思い込みだったりするんです。その代わり、やるときはやる!やっていないのもストレスが溜まるので」。

「"お母さんだからやるのが当たり前"というのはおかしいですよね」とIDUMIさん。
息子たちにも、「ママだけどその前に人間だから」と伝えているのだそう。

「わがままを言われることもありますけど、ふとしたときに
『ママが大変だからやってあげようか』と洗濯物を畳んでくれたりするんです」。

週5日フルに働きながら大学で学び、家事も育児もこなすIDUMIさん。
「底なしにパワフルで自分に厳しい人」という想像とは裏腹に、
上手に肩の力を抜いて、自分も周りの人もいたわることができる、優しさをまとった人でした。

Have a try!

  • 自分がラクになることを優先してみる
  • 疲れた日は納豆ご飯にしてみる

参考:『サンキュ!』2019年3月号

<PROFILE>
IDUMIさん(愛知県 34歳)

長男(9歳)、次男(7歳)、の3人家族。週5日のパート勤務。18年4月に4年制大学の通信教育部に入学。社会福祉士の資格取得めざして勉強中

撮影/高杉純 文/村雨玲子