食品の値上がりが止まりません。パン、油、チーズ、バターは高止まりです。卵は一時期よりかは値下がりしたものの、かつての値段よりはいまだ高いまま。「物価の優等生」と言われるほど安定した価格で、さらに「完全栄養食品」として庶民の食卓の味方だったのに……。

家族の毎日のごはん作りは、本当にたいへんです。こんな状況でも、食費を増やさずにやりくりできている人って、いるのでしょうか?

全国の主婦を取材して、お金に関する記事を数多く手がける村越克子さんが、食事を増やさない人が「やったこと/やめたこと」を解説します。

やめたこと1:夕飯にみそ汁をつけるのをやめた

食費が安い人は「一汁三菜」にこだわりません。おかずは基本的にメインとサブの2品でOK。肉や魚など動物性たんぱく質のメインと、野菜のサラダ、煮物、和え物などのサブがあれば、栄養バランスは合格です。

おかず2品なら献立を考えるのも簡単ですし、作る手間も軽減。必要な食材も少なめですむので買い物がラクだし、買う食材も少なくてすみます。

みそ汁はハンパ野菜を使い切りたいときや、余力があるときだけつければOKです。

やめたこと2:毎日買い物に行くのをやめた

毎日スーパーに行って、その日の特売品を買って夕飯のおかずを作れば安上がり……と思っていませんか?数日分の献立を考えるより、その日安くなっていて、おいしそうな物を買ったほうがおかずを考えるのはラクそうです。

でも、必要な物や特売品だけを買って帰ってくるには、かなりの固い意思が必要になります。行けばつい、よけいな物まで買ってしまうことに。またちょっと高いけどおいしそうな物を買わずに我慢するよりは、いっそ行かないほうがストレスになりません。

食費を抑えられている人は買い物回数を減らしています。

やめたこと3:食材宅配サービスをやめた

様々な野菜を含む段ボール箱を持つ主婦

食材宅配サービスは便利ですが、食費を抑えたいと考えている人にはどうでしょう?宅配サービスだけですませて、スーパーには行かないという人であればいいのですが、大半の人は宅配サービスとスーパーを併用しています。

すると必要最小限の食材しか買わないように、緻密な買い物計画を立てられる人以外は、どうしても多めに買いがちになります。

食品が値上がりしている今、宅配サービスはやめて、スーパーだけにしている人が増えています。

やったこと1:肉は下味冷凍しておいしく食べ切る

食費を増やさない人は、なんでもかんでも、むやみに冷凍はしません。徳用パックはグラム単価が割安ですが、量が多いのでそのまま冷凍するのはNG。使いやすい100~200gに小分けするのが◎。

さらに、食費やりくり上手さんは、ただ冷凍するだけではなく、肉の場合は下味をつけて冷凍します。豚コマ切れ肉をしょうゆ、酒、みりん、おろし生姜で下味をつけておけば、フライパンで炒めるだけで豚肉の生姜焼きが完成。

カットした玉ねぎやピーマンも一緒に保存袋に入れて冷凍すれば、自家製ミールキットになります。

やったこと2:野菜は鮮度保存袋で長持ちさせる

食品ロスでいちばん多いのが野菜。野菜室の隅っこからシナシナのほうれん草、溶けかけたキュウリ、黒く変色した大葉……を発見した経験のある人は多いはず。お金を出して買った食材を捨てるのは、食費のムダ使い以外のなにものでもありません。

食費のムダを出さない人は、野菜の鮮度保存袋を利用しています。

まとめ

食品が軒並み値上がりしている昨今、食費を増やさないのはむずかしいことです。この物価高を乗り越えるために、食費やりくり上手さんがやめたこと/やったことを参考にしてみてください。



■執筆/村越克子さん
『サンキュ!』を中心に雑誌・ムック・webなどで全国の主婦を取材し、家計のやりくりなどお金に関する記事を数多く手がける。『貯められない人の家計管理』(朝日新聞出版)の編集・執筆など。FP1級技能士。